(仕事術)「価値 vs 複雑度モデル」優先度順位付けフレームワーク
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価値vs複雑度モデルとは
価値vs複雑度モデル(Value vs Complexity モデル) とは、要件を以下の2️つの軸で、優先度を判断します。
- Value(価値)
- Complexity(複雑度)
その結果、次の「2 x 2 = 4つ」の優先度カテゴリーへ分類できます。
補足: 「価値vs複雑度モデル(Value vs Complexity モデル)」は、「価値 vs 労力モデル(Value vs Effort model)」とも呼ばれます
優先順位
優先順位決定の基本戦略は、以下になります。
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(左上) 価値が高く、複雑さが低い: "Quick wins - do first"
投資対効果が高い。価値が高く複雑さが低いため、最優先で対応すべき要件です。
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(右上) 価値が高く、複雑さも高い: "Major projects - plan & schedule"
効果は高いが慎重に対応する必要がある。価値は高いものの複雑さも高いため、長期的な計画の中で対応を検討する要件です。
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(左下) 価値が低く、複雑さも低い: "Fill ins"
価値と複雑さがともに低いため、将来的に検討する程度の優先度の低い機能です。リソースに余裕ができたら対応検討。
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(右下) 価値が低く、複雑さが高い: "Thankless tasks"
基本対象外。価値が低く複雑さが高いため、基本的に対応する必要はありません。
活用する際は、以下のようなステップが一般的です。
- 要件のリストアップ
- 価値と複雑さの評価基準を設定
- 各要件をモデル上にプロット
- 領域に基づき優先順位を付ける
- 優先順位に従って開発を進める
プロジェクトが進行する中で、随時要件の再評価と優先順位の見直しを行うことが重要です。
メリットとデメリット
メリット
- 最大のリターンが得られる: 価値が高く、実装が容易な優先領域の要件から先行することで、限られたリソースから最大の価値を引き出せます。
- リスクを最小化できる: 複雑さが高い要件は後回しにできるため、開発リスクを抑制しつつ、価値の高い部分から対応が可能です。
- 俯瞰的な視点: 2軸(2x2)で要件を分類することで、プロジェクト全体を俯瞰した要件優先付けができます。
- 透明性が高い: 要件の価値と複雑さを定量的に評価するため、ステークホルダーへの説明責任が果たしやすくなります。
デメリット
- 客観的な評価が難しい: 要件の価値と複雑さを定量的に評価するのが難しい場合が多く、主観が入りやすい。
- 将来の変化に柔軟に対応できない: 開発中に要件の価値や複雑さが変わった際に、優先順位の見直しが難しくなる。
- 複雑要件が後回しになりがち:複雑な要件は長期領域に分類されがちで、なかなか対応されないリスクがある。
- 相対的な優先順位しかわからない: 各領域内での要件の優先順位は不明確で、さらに詳細な検討が必要になる。
まとめ
価値 vs 複雑度モデル は、要件のROI(投資効果)を意識した優先付けが可能なアプローチです。
メリット・デメリットを理解した上で、適切に運用することが大事です。